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症状と疾患
頚椎症

頚椎症(けいついしょう)は、加齢に伴う頚椎(首の骨)の変性により、神経や血管が圧迫されることで痛みやしびれを引き起こす疾患です。

  1. 発症率・有病率
    中高年に多い
    40歳以上で徐々に増え、特に50〜70代に多く見られます。

    男女比
    男性の方が若干多い傾向がありますが、女性も閉経後に発症しやすくなります。

    日本での有病率
    軽度のものを含めると 40歳以上の約20〜30% に頚椎の変性が認められると報告されています。
  2. 関連疾患
    頚椎症性神経根症(神経が圧迫されて腕や手にしびれが出るタイプ)の有病率は 1〜2% 程度。
    頚椎症性脊髄症(脊髄が圧迫され、歩行障害などが出るタイプ)は高齢者の 0.5〜1% に発症。
  3. 原因
    椎間板の変性
    頚椎の間にある椎間板(クッション)が加齢で水分を失い、弾力を失う → 衝撃を吸収できず変形。

    骨の変形(骨棘形成)
    頚椎の関節(椎間関節)が摩耗し、骨が過剰に増殖(骨棘)→ 神経や脊髄を圧迫。

    靭帯の肥厚(黄色靭帯の肥厚)
    加齢により靭帯が厚くなり、脊髄を圧迫。

    姿勢や生活習慣
    長時間の前傾姿勢(スマホやPC作業)が頚椎に負担をかける。

    外傷やスポーツ歴
    若い頃のむち打ちやコンタクトスポーツの影響で頚椎に負担が蓄積。
  4. 一般的な治療法
    頚椎症の一般的な治療法
    治療法は 保存療法(手術以外)と 手術療法 に分けられます。


1. 保存療法(手術をしない治療)


軽症から中等症では、まず保存療法が選択されます。(一般的な西洋医学的治療)

  1. 薬物療法
    鎮痛薬(NSAIDs):ロキソニン、セレコックス(痛みや炎症を抑える)
    神経障害性疼痛治療薬:リリカ(プレガバリン)、ノイロトロピン(神経痛を軽減)
    筋弛緩薬:チザニジン(筋肉の緊張を和らげる)
    ビタミンB12(メコバラミン):神経の回復を促進
  2. 理学療法(リハビリ)
    ストレッチ・運動療法:首の可動域を広げ、筋力をつける
    温熱療法:血流を良くし、痛みを緩和
    頚椎牽引:首を引っ張り、神経の圧迫を軽減(賛否あり)
  3. 装具療法(頚椎カラー)
    一時的に 頚椎カラー(頸椎固定装具) を装着し、首の負担を減らす。
  4. トリガーポイント注射
    痛いところに直接注射をする方法


1-2. 保存療法2 (東洋医学的な治療)



2. 手術治療


通常、頚椎症では手術になりません。
保存療法で改善しない重度の頚椎症性脊髄症や神経根症 では手術が検討されます。
(痛みが強かったり、手の動きが悪かったりする場合)
腰痛症

腰痛症(ようつうしょう)は、腰部に痛みを感じる症状の総称であり、その原因や程度は多岐にわたります。
特に、明確な器質的疾患(ヘルニアや骨折など)が認められないが、慢性的または急性的に腰痛を呈する状態を指すことが多いです。


@ 腰痛の有訴者率


令和4年(2022年)の国民生活基礎調査によると有訴者率の高い症状として、男女ともに「腰痛」が1位でした。
1000人あたり男113.3人、女111.9でした。

A 腰痛の原因


  1. 特異的  15%
    原因が分かっているものによるもの。原因としては脊椎・関節由来、神経由来、内臓由来、血管、心由来等があります。
    脊柱由来としては椎間板、椎間関節、仙腸関節、脊柱管(脊柱管狭窄)、脊椎(骨粗鬆症、圧迫骨折、椎体炎)等があります。
    筋由来として筋力低下や筋緊張によるもの、神経由来では脊髄腫瘍、帯状疱疹が該当します。内臓としては消化器系(胃・十二指腸潰瘍、胆石、胆嚢炎、膵臓炎、肝炎)、泌尿器系(尿路結石、腎結石、腎盂腎炎、前立腺癌)、婦人科系(子宮内膜症、子宮癌)、循環器系(心筋梗塞、解離性腹部大動脈瘤)も 腰痛を生じる可能性があります。
  2. 非特異的 85%

B 治療法


  1. 薬物療法
    1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
    NSAIDsは、腰痛症の第一選択薬として広く使用されています。

    代表薬剤
    経口薬: イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ(選択的COX-2阻害薬)。
    外用薬: ジクロフェナク、ケトプロフェン(湿布やゲル剤として)。
    注意点: 胃腸障害(胃潰瘍や胃炎)、腎機能障害のリスクがある。

    2. 筋弛緩薬
    筋肉の緊張を緩和することで、痛みを軽減します。

    代表薬剤
    チザニジン: 中枢性筋弛緩薬。
    エペリゾン: 筋肉の過剰な収縮を抑える。
    注意点: 倦怠感や眠気の副作用があるため、運転や機械操作時は注意が必要。

    3. 鎮痛補助薬
    神経性腰痛や慢性腰痛に対して有効な薬剤。

    抗うつ薬(TCA、SNRI)
    アミトリプチリン: 神経性腰痛や慢性腰痛に有効。
    デュロキセチン: 腰痛を含む慢性痛の治療に適応あり。
    抗てんかん薬: プレガバリン、ガバペンチン: 神経障害性疼痛に有効。
    注意点: 倦怠感、眠気、めまいなどの副作用が出やすい。

    4. アセトアミノフェン
    軽度から中等度の痛みに対して胃腸障害が少ないため安全性が高い。
    注意点: 高用量で肝障害のリスクがあり、用量を守る必要がある。

    5. オピオイド(麻薬性鎮痛薬)
    中等度から重度の腰痛に使用。ただし、慢性腰痛には慎重に使用。

    代表薬剤
    トラマドール: 弱オピオイドで、慢性腰痛に比較的安全。
  2. 運動療法
    慢性腰痛に対する運動療法は効果的とされ、多くの臨床研究で支持されています。
    Hayden JA, et al. (2005). Exercise therapy for treatment of non-specific low back pain. Annals of Internal Medicine.
    Saragiotto BT, et al. (2016). Exercise for chronic non-specific low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews.
  3. 徒手療法
  4. 中医・東洋医学的治療
    中薬、漢方薬
    針灸
  5. 栄養療法






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